自立支援・営業再開サポート第4弾は「菅久菓子店」さんです。
菅久菓子店は現在の店主秀一郎さんで5代目になります。
震災後、様々な困難を乗り越え「Patisserie KANKYU」と店名も新たに再開することとなりました。
思えば苦難の日々だったと思います。
津波で失ったのは、全壊した2店舗だけではありません。
代々受け継がれてきたレシピ。
店の暖簾に伝統があるだけに、再開に当たっての重圧は計り知れないものがあります。
もちろん事業資金や将来の見通しなど不安だらけでの再出発です。
それでも、故郷の再生のために自分にできることはこれしかない、と思いを込めての営業再開です。
そんな菅久菓子店さんの思いを受け、ささやかながらお手伝いをさせていただきました。
店主の秀一郎さんから、メッセージをいただいております。
「菅久菓子店」店主さまより
陸前高田市サポートチーム NPO法人「明日の希望」様から、待望の冷蔵庫が届きました。
支援してくださった方々の想いを、忘れることはありません。
再開にまた一歩近づきました。
本当にありがとうございました。
ぼくたちもこの思いに応え続けていきたいと思います。
営業再開サポート第3弾はそば処「やぶ屋」さんです。
陸前高田市の老舗のおそば屋さん。
先代の後を継いで息子さんが再開を目指していました。
陸前高田市の市役所に勤めていたぼくの母親も、お昼の出前の常連でした。
もちろんぼくも食べに行っていました。
そんな「やぶ屋」さんの営業再開のお手伝いをできることは大変うれしく思います。
「やぶ屋」さんに限らず、今の陸前高田市では営業再開は仮設店舗です。
期限付きのレンタル。期限切れ後には本店舗と自宅の両方を再建しなくてはなりません。
当然、それほど経費をかけられません。
それでなくても震災前からの借金を抱えるお店がほとんどで、資金繰りにはどこも想像できないほどの苦労をされています。
それでも、立ち上がらなければ生活が成り立たない。
みんな必死です。
この街で生きていかなければならないのですから。
(2012年4月10日撮影)
「明日の希望」では、第1弾・第2弾同様、設備投資で負担の大きい業務用冷凍冷蔵庫を寄贈させていただきました。
(寄贈した冷凍冷蔵庫と店主の及川さん)
(栃が沢ベースの仮設店舗)
最後に、「やぶ屋」さんとお話をさせていただいて、忘れてはならないことを書きます。
「今は家族で仮設住宅に住んでいます。
うちには小さい子どもがいる。
その子どもの、幼い頃の家の想い出が仮設住宅では親としてやりきれない。
店だけでなく、必ず自宅も再建しようと思います。」
静かな口調でしたが、痛切な思いが伝わってきました。
営業再開サポート第2弾。
陸前高田市の中華食堂「熊谷」さんです。
中華食堂「熊谷」は陸前高田市消防団高田分団の方がやっておられるお店です。
どのメニューもおいしいのですが、中でも担々麺と杏仁豆腐は絶品(個人的感想です)。
フジテレビの「スマスマ」でキムタクチームのヘルプに参加したこともあるので、ご覧になったことのある方もいるかもしれません。
(寄贈した冷凍冷蔵庫と店主の熊谷さん)
震災直後に陸前高田市に帰ったとき、家が無くなって居場所がなかったぼくが身を寄せたのが高田分団の屯所でした。
そのとき、店主の熊谷さんにたいへんお世話になったのがご縁で、今回のサポートが実現しました。
震災後、アマゾンに高田分団からの「欲しいものリスト」をアップし、支援物資の調達・配布にご尽力されていたのが熊谷さんです。
多くの方が復活を待ち望んでいる中華食堂「熊谷」のお手伝いができたことは、ぼくにとっても幸運でした。
雪が溶け春の声が近づいたら、必ずお店を訪ねようと思っています。
営業再開サポート第1弾、器・和雑貨・地酒「いわ井」さんです。
和食器や雑貨、お酒等の販売をしていて、店内に入り、並べられている商品を見てるだけでも癒やされる感じのするお店です。
(現在は栃が沢ベースで営業中)
地元陸前高田市では、商店さんが営業を再開し始めています。
行政レベルの営業再開支援が大幅に遅れているため(2011年10月31日現在、用地未定)、ほとんどの商店さんが自力で再開しています。
仕事をして収入を得る。
この当たり前なことが、今一番難しい問題となっています。
そこで何か少しでもお手伝いできないかと相談させていただきました。
その結果、お店の方と相談して決めたのは、業務用冷蔵庫。
(寄贈した冷蔵庫と店主の方)
一番経費がかさむのだそうです。
定価で100万円を超える物ばかり。
株式会社マルゼンさまのご協力により、かなり格安で(搬入設置料込みで25万円)新品を購入することができました。
ここでは、酔仙も買うことができますので、お近くにおいでの際はぜひ立ち寄ってみてください!
「いわ井」さんだけでなく、自力で営業再開し、一歩でも前に進もうとするお店が出てきます。
微々たる支援ではありますが、要望がある限り、全力でそれに応えていこうと思っています。
多くの大切なものを一瞬にして失うという悪夢のような出来事に立ち向かい、そこに暮らそうとする人たちと寄り添いながら。